「中性脂肪が高い」と感じた時に、摂取すると良いと言われているのが「DHA・EPA」です。このDHA・EPAは厚生労働省で摂取が呼びかけられたり、消費者庁の審査でA評価を受けたりと、科学的根拠も非常に高い栄養素の1つです。
しかし、本当に中性脂肪を下げる効果はあるのでしょうか?このページでは、DHA・EPAと中性脂肪との関係性と、効果や作用のメカニズム、どれくらいの期間で、どれくらい中性脂肪値を下げるのかについて紹介していきます。

こんにちは!DHAEPAサプリのススメ編集長の稲垣です。
突然ですが、「中性脂肪が高いですね」と言われた経験はありますか?私はこれを言われたとき、「とうとうそんな年齢になったか」と思うとともに、今までの食生活や生活習慣を改めなきゃいけないと思うと、「大丈夫なのか、自分にできるものなのか」と不安にもなりました。
でも、前進しないと、動脈硬化、心筋梗塞などのリスクも高まっていくのは事実です。「このままじゃいけない」と強く思いました。
その結果として摂取し始めた栄養素が「DHA・EPA」です。そのおかげもあって、今では中性脂肪は基準値内に収まるようになりました。ですが、本当にDHA・EPAの効果はあるのでしょうか?どれくらい効果が期待できるのでしょうか?




DHA・EPAの中性脂肪値を下げる効果は本当?
まず、一番大事な疑問である「果たして本当にDHA・EPAは中性脂肪値を下げるのか?」ということについてですが、これは消費者庁より審査があり、その中で、中性脂肪を下げる評価として「A評価」を得ています。
この結果が消費者庁より発表されたからと言って、国が「DHA・EPAの中性脂肪を下げる効果」を保証するわけではありませんが、それでも、「科学的」「医学的」に見て、十分に中性脂肪を下げる機能性があることが証明されつつあります。
しかし、なぜ、どのようなメカニズムで、DHA・EPAは中性脂肪を下げるのでしょうか?
- DHA・EPAが中性脂肪を下げる2つの役割とは?
- 脂肪を燃焼させやすくするDHA・EPA
- 脂肪の合成を抑えるはたらきもある
- この2つのはたらきは「明確」になっている
DHA・EPAが中性脂肪を下げる2つの役割とは?

DHA・EPAが中性脂肪を下げる効果があることに対してA評価がつけられたのは、DHA・EPAに
- 脂肪の燃焼を促進する効果(脂肪分解酵素の活性化)
- 脂肪合成の抑制(SREBP1cの量の低下)
といった2つのはたらきがあることが確認できているからです。つまり、体内の中性脂肪を効率的に燃焼させ、なおかつ、中性脂肪が合成されるのを抑えるため、結果的に中性脂肪が下がるという作用機序となっています。
脂肪を燃焼させやすくするDHA・EPA
まず、明らかになっていることの1つ目「脂肪の燃焼の促進」についてですが、DHA・EPAには、脂肪分解酵素である「リパーゼ」を活性化する作用があることが分かっています。
「脂肪がエネルギーに変わる」とよく言われますが、これは、リパーゼが脂肪を分解してくれるからです。そして私たちの体に「リパーゼ」があることによって、脂肪がグリセロールと脂肪酸に分解されるとともに、心臓や肝臓、骨格筋を動かすための「エネルギー」を取り出すことができるのです。
この「リパーゼを活性化させる」はたらきがDHAEPAにあることによって、効率的に脂肪を燃やすことができるのです。
脂肪の合成を抑えるはたらきもある
DHA・EPAには、脂肪の燃焼の促進だけでなく、脂肪の合成を抑えるはたらきももっています。これは、DHA・EPAに、脂肪の合成を促進する因子「SREBP1c」の量を低下させ、脂肪合成を抑制する効果があるからです。
「DHA・EPAを摂取したら、たくさん食べても中性脂肪値が上がりにくくなった・維持できた」という人もいますが、これは、DHA・EPAが脂肪の合成を妨げてくれているからです。
だからといって、食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまっては本末転倒ではありますが、食事改善・生活改善とともにDHA・EPAを利用することで、効率的に中性脂肪対策ができるようになります。
この2つのはたらきは「明確」になっている

ここまで、DHAEPAに「脂肪を燃焼させ」「脂肪の合成を抑制する」という2つのはたらきがあることを紹介してきましたが、一番重要なポイントは、このDHA・EPAの2つのはたらきについては作用機序が「明確」になっているということです。
客観的な臨床試験だけでなく、科学的にも、この2つの効果は「ある」ということであり、やはり、DHAEPAには中性脂肪を下げる効果があるのです。
DHA・EPAには、他にも「血圧を改善させる」「頭が良くなる」「うつ症状を改善する」などの効果があると言われています。ただし、これらに関しては、まだ部分的な解明で終わっており、完全に解明されたわけではない=効果があるだろうが、まだはっきりしていない状態です。


DHA・EPAは、どれくらい中性脂肪を下げるのか?



ここまではDHA・EPAに中性脂肪を下げる効果があることを紹介してきました。しかし、効果があると分かっても、いったい「どれくらい」の効果があるのでしょうか?ここでは実際にヒトにおいて研究された2つの事例を紹介していきます。
- ヒト試験で中性脂肪の低下が確認!トクホ「イマークS」における実験
- マルハニチロの研究!DHA・EPAが中性脂肪をどれくらい減らすのか?
ヒト試験で中性脂肪の低下が確認!トクホ「イマークS」における実験
下記は、「イマークS」というDHAEPAのトクホの使用において実験された結果です。※イマークSは、EPA600mg、DHA260㎎を含むDHAEPAサプリメントです。※下記データ派日本臨床栄養学会にも記載されたものです。

これを見ると分かるように、先ほど紹介したDHAEPAの効果によって、中性脂肪値が4週間で約40mg/dl低下しています。
もちろん、服用中止後は、「脂肪を燃やす」「合成を抑制する」ためのDHA・EPAの体内量が減ってしまうため、中性脂肪値は増加してしまいますが、飲んでいる間は継続的に中性脂肪値を下げることが可能です。
マルハニチロの研究!DHA・EPAが中性脂肪をどれくらい減らすのか?
また、水産業の大手「マルハニチロ」もDHA・EPAが中性脂肪に与える影響を調査しています。下記は実際に28日間摂取した場合の、中性脂肪値の変化を表すグラフです。
特に、この実験では、平均「250mg/dl」と中性脂肪値の高い人たちにおいて実験されていますが、28日間の摂取で、基準値を大きく下回っていることが分かります。(※- – -部分が基準値です)


この「マルハニチロ」の開発するDHAEPAサプリメントが、「マルハニチロ」と「さくらの森」の共同開発商品「きなり」です。「きなり」はマルハニチロの管理する港で水揚げされた魚のみを使ったDHA・EPAサプリメントで、DHAEPA業界でも人気を集めています。
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さて、ここまで「イマークSの臨床試験データ」と「マルハニチロの研究結果」を紹介してきましたが、どちらにも共通するのは、「1か月」と短い期間で中性脂肪値が下がっているという事です。
「血圧改善」などには効果があるかどうかはまだはっきりと解明されてはいませんが、この「中性脂肪を下げる働き」や「心疾患リスク(動脈硬化など)の低減」においてはA評価ですので、中性脂肪値や血液状態の改善のために、DHAEPAを一度摂取してみて、自分に合うかどうかを確認しておきましょう。
他にもある!DHAEPAの作用のメカニズム
ここまでは、DHAEPAに「脂肪を燃やす」「合成を抑制する」はたらきがあることを紹介してきました。また、どれくらい数値改善が期待できるのかについても紹介してきました。
ここからは、最初に紹介はできなかったものの、DHA・EPAが中性脂肪を下げる、その他の理由とメカニズムを見ていきましょう。
- 食べ過ぎてしまう方に朗報!食欲を抑えるはたらき
- 消化スピードが遅くなる
- 急激な血糖値の上昇を抑える
食べ過ぎてしまう方に朗報!食欲を抑えるはたらきも!

DHA・EPAの中でも「EPA」には、脂肪酸感受細胞のGPR120に刺激を与えることが分かっています。そうすると、満腹感を感じるホルモン「GLP-1」が体内に分泌され、少量の食事でも満腹感を感じられるようになります。
よく「ダイエット」のために「魚料理を食べよう」と言われることもありますが、魚の油の方が太りにくいだけでなく、EPAが摂取できることによって食べ過ぎ防止にもつながるからなんですね。
消化スピードが遅くなる

「食べても食べてもお腹が減る」と感じた時にずっと食べてばかりいると、当然太ってしまいます。ここでもEPAの登場です。
EPAのはたらきによって、胃での食べ物の消化スピードが遅くなります。そうすると、長時間胃に食べ物が入っている状態になりますので、お腹が減りにくくなります。
つまり、DHA・EPAは、燃費の良いガソリンのようなもの。ですのでDHA・EPAは「お腹がすきやすい」「ついつい食べ過ぎてしまう」という方や、ダイエット目的の方にもオススメです。
急激な血糖値の上昇を抑える

急激な血糖値の上昇は、細胞膜にダメージを与えたり、老化の原因となることが最近の研究で分かってきました。また、反応性低血糖や糖尿病にもつながることは多くの方がご存知の通りです。
もちろん急激な血糖値の上昇をさせないために、「ゆっくり食べる」「野菜から食べる」「良く噛んで食べる」といった工夫も必要ですが、DHA・EPAを併せて摂取することで、DHAEPAが急激な血糖値の上昇を抑えてくれることも分かっています。その結果として体脂肪の増えにくい体作りをすることができるのです。
さいごに
今回は、DHA・EPAと中性脂肪との関係性について紹介してきました。様々なグラフも紹介しましたが、DHA・EPAは中性脂肪を有意に下げてくれることには、驚かれた方もいるかもしれません。
しかし「どんなDHA・EPAサプリメントも効果がある」というわけでもありません。そして、大切なのは、「自分の体に合わせたDHA・EPAサプリメントを選ぶこと」です。
これについて、DHAEPAサプリのススメでは、「高血圧が気になる方に向けて」「コレステロールが気になる方に向けて」「血糖値が気になる方に向けて」のサプリメント選びを紹介しています。これらを通して、より自分に合ったサプリ選びをしてみてくださいね。
この記事の監修者

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現役内科医・日本内科学会認定内科医
近畿大学医学部卒。2004年医師免許取得(医籍登録番号:第441704号)、2016年医学博士号取得