中性脂肪が高いと健康リスクが高くなり、動脈硬化に起因する高血圧、さらには、脳梗塞、心筋梗塞・・・様々な病気や症状を引き起こします。
もちろんこちらの記事で書いたように中性脂肪は絶対悪ではありません。しかし、標準値内にすることは大切です。
そこで知っておきたいのが、中性脂肪を下げるための食事です。
当メディアDHAEPAサプリのススメの監修医師からも、食事に関して下記の指摘をいただきました。

中性脂肪を下げるには、運動と共に食事も重要視すべき(見直すべき)です。
では、どのような食事を意識すると良いのでしょうか?
このページでは、中性脂肪を下げる食品例や中性脂肪を下げる食べ方、毎日食卓に並べたいおすすめ食材を紹介していきます。
中性脂肪を下げる具体的な食品名と成分と調理法
少々長い前置きが終わったところで、読者の中性脂肪を下げることが実現するように、次からは中性脂肪を下げる「食品」を具体的に紹介していきます。
ここでは、食品の具体例とともに、汎用性が高くなるように中性脂肪を下げる「成分・栄養素」も記載しています。
また、せっかくいい食品を使っても調理方法を間違えると効果が半減するものもありますので、調理に気をつけたい食品についても紹介していきます。
中性脂肪を下げる食品と成分
それでは、中性脂肪を下げる成分と食品を見ていきましょう。
- 食品1「青魚」:中性脂肪を下げるDHA・EPAが多い
- 食品2「ナットウキナーゼ」:納豆を夕食時に食べてみよう
- 食品3「豆腐」:中性脂肪を下げるタンパク質が特徴
- 食品4「わかめ」:味噌汁、野菜サラダに入れてみよう
- その他の中性脂肪を下げる食品
食品1「青魚」:中性脂肪を下げるDHA・EPAが多い

中性脂肪を下げる食品で忘れてはいけない、そして一番重要なのが「DHA・EPA」ですね。DHA・EPAは厚生労働省も1日1000㎎(1g)を摂取するよう呼びかけていますが、これは「効果が実証されているから」です。
そんなDHA・EPAが多いのは、「青魚」です。サバやイワシ、サンマに多く含まれています。
どの魚にどの程度DHA・EPAが含まれているかは、「DHA・EPAの1日の摂取量」の記事にて簡単に紹介しています。
また、DHAEPAに期待できるはたらきについては「DHA・EPAは中性脂肪を本当に下げるのか?効果のメカニズムと信頼性」の記事で紹介しています。
なお、手軽にDHAEPAを摂取できるということで「鯖缶」もブームになっています。鯖缶に含まれるDHAEPA量については下記記事で紹介しています。
食品2「ナットウキナーゼ」:納豆を夕食時に食べてみよう

「納豆」も優秀な食品です。
納豆にはナットウキナーゼが入っており、これは、納豆からしか摂取できません。
ナットウキナーゼは、血液が固まることによっておこる、「血栓」予防に効果があります。
さらにナットウキナーゼは血圧降下作用も確認されています。
血流改善作用も確認されています。
納豆は調理する必要もなく手軽に食べられる食品です。
また、納豆は大豆食品ですので、体に良いHDLコレステロールを増やす「レシチン」、悪玉コレステロールを防ぐビタミンEやサポニン、コレステロールの吸収を抑える「カンペステロール」なども含まれています。
中性脂肪が気になるからこそ、DHA・EPAと併せて、頻度を高く摂取したい食品の1つです。
なお、納豆を朝食に食べる人も多いと思いますが、血栓ができやすいのは夜ですので、どちらかと言えば夕食時に食べる方が良いです。(納豆を夕食後に「間食」として食べることは、オススメでないと指摘を受けています。夕食時・夕食中に食べましょう。)
食品3「豆腐」:中性脂肪を下げるタンパク質が特徴

次におすすめしたい食品は「豆腐」です。こちらも納豆と同じ大豆食品ですが、豆腐のタンパク質はその約半分が「グリニシン」というたんぱく質です。
この「グリニシン」は、中性脂肪を下げる効果があることで有名です。また、納豆と同じように善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを下げるはたらきもあります。
豆腐のメリットは、納豆と同じように、「食卓に並べるだけ」という手軽さがあることです。また、安さも魅力。「今日は中性脂肪を下げる食品が足りないなぁ」と感じたら、さっと出せるので、ぜひ覚えておいてくださいね。
食品4「わかめ」:味噌汁、野菜サラダに入れてみよう

「わかめ」は、食卓に並ぶ家庭とそうでない家庭が分かれる食品ですが、これがなかなか優秀です。
わかめには食物繊維が含まれていますが、そうした海藻類の食物繊維には脂質や糖質の吸収を抑制するはたらきがあることが分かっています。
また、「わかめ」には独特のヌルヌルがありますが、それは「アルギン酸」という成分で、DHA・EPAのように、血液をサラサラにしてくれます。
加えてわかめには「ヨウ素」が含まれています。これが体のエネルギー代謝をアップさせてくれるので、肥満予防にも効果的。
比較的普段の食事に取り入れやすい食品ですので、ぜひ有効活用をしてみてください。
その他の中性脂肪を下げる食品

ここまでは、比較的簡単に家庭料理に取り入れられる食品を紹介してきました。しかし、他にもさまざまな食品に中性脂肪を下げる効果があることが分かっています。
例えば「まいたけ」「しいたけ」「トマト」「玉ねぎ」「酢」「唐辛子」「クルミ」など、普段食べるものから食べないものまで沢山あります。
そこでおすすめしたいのが、「野菜」「きのこ」「海藻」というキーワードです。この3つの食品類には中性脂肪を直接的にも間接的にも下げる効果が多いですので、このキーワードの視点で食品選びをしてみましょう。
また、いくら中性脂肪を下げるのにいいからと「食べ過ぎ」ることも問題です。中性脂肪を下げるための食品選びではなく、「体全体の健康」のための食品選びをしていきましょう。
ここを間違えたらだめ!調理にも気を付けて!

具体的な食品を紹介してきましたが、特に「青魚」の調理について知っておかなければいけないことがあります。それは、DHA・EPAが熱に弱く、焼いたり煮たりすると「20%」失われ、揚げると「50%」が失われるという事です。
ここでは、「焼かない」「煮ない」ということを言いたのではなく、美味しく食べるために焼いたり煮たり揚げたりした場合には他の食品も併せて摂取すること、また、よく100gあたりのDHA・EPA量が記載されていますが、調理するとそれ以下しか摂取できないことを「理解」することが大切です。
また、「海藻類」「野菜類」というのを紹介しましたが、それらにドレッシングやマヨネーズをかける人も多いと思います。しかし、中性脂肪が気になるのであれば、できる限り「ノンオイル」のものを使用した方がいいです。
気にしすぎると調理の手が止まってしまいますので気にしない方が良いと思いますが、「DHA・EPAが熱に弱いこと⇒他の食品も大事ということ」「ドレッシングはノンオイルを使うこと」の2点を意識するだけでも違ってきますので、よかったら覚えておいてくださいね。
食品を気にしなくても食べ方だけで中性脂肪は下がる?
しかし、食事改善は簡単なようで困難です。
食生活の改善は継続するのが大切なのですが、食生活の改善を継続すること=習慣を変えることですから、簡単に元通りの食生活に戻ってしまうこともあります。
しかし、それではこの記事の目標である「読者の中性脂肪を下げる」がかなえられません。
そこで、この段落では、「誰でもできる、食生活の改善なしで中性脂肪を下げる食べ方」を紹介していきます。
水を飲むだけで中性脂肪が下がるって本当

まず効果的なのが、「水を飲む」ということです。
健康診断前に、できる限り中性脂肪値を下げようと、水をがぶ飲みする人がいます。
「そんなの意味がないだろう!」と思うかも知れませんが、健康診断数時間前に水を飲むと、実際に中性脂肪値は低くなるようです。
医師からも水分摂取による中性脂肪の低下について以下のコメントをいただきました。

もちろん「一時的」であって、健康診断の数値を意図的に操作しているようなものですから、「水のがぶ飲み」はおすすめはできません。それでも「水を飲む習慣(1日2リットル程度)がない人」は、中性脂肪値を下げるために、水を意識して飲んでみましょう。
食事前の1杯の水が、中性脂肪を間接的に下げる理由
では、どうして水を飲むと中性脂肪値が下がるのでしょうか?
これについては様々な意見があり「こんなメカニズムで下がる」ということはハッキリお伝えできませんが、伝えることのできる部分もあります。
まず食前に水を飲むと、普段より少量でも満腹(食事の満足感)になりやすくなります。摂取カロリーが少なくなった結果として中性脂肪値が下がることにつながっていきます。
また、以前の記事でも説明したように、中性脂肪が高いと血液がドロドロになります。こまめな水分摂取により血液が希釈されドロドロ状態が緩和される時間が多くなるため、すでに中性脂肪が高く、血液状態が心配な方にもおすすめです。
しかし、先ほどもお伝えしたように「がぶ飲み」は良くありません。
そこで摂取目安をお伝えすると「1日2リットル」です。
意外と1日2リットルは飲んでいるようで飲んでいません。試しに実験したい方は、コンビニなどで2Lの水を買って、1日でそれを飲み切れるか試してみましょう。
まずは敵を知る!中性脂肪を高める食生活の特徴

ここまで中性脂肪を下げる食品について紹介してきましたが、最後に、この食事だけは気をつけたい!中性脂肪を「高める」食事について紹介していきます。
これから紹介する食品の摂取が多ければ、それを少なくするだけでも効果がありますので、自分の食生活を振り返りながら、改善点がないか考えてみてくださいね。
中性脂肪を増やしてしまう食べ物とは?
ここでは、中性脂肪値が高いという方に向けて、減らしてみて欲しい食べ物を紹介していきます。それが以下の3つです。
- 炭水化物(糖質)
- 脂肪
- アルコール
これらは、中性脂肪を上げる主な食品です。
どれも美味しいものが多いのですが、例えば「ラーメン&ライス」、「ハンバーグ&ご飯大盛り」など、悪い相乗効果で「食べ過ぎ」になることが問題です。
もちろんできる限り減らす方向が良いのですが、いきなり減らすと心が辛くなりますので、徐々に徐々に減らしていきましょう。
さいごに
今回は、中性脂肪を下げるための「食品」について紹介してきました。しかし、最初にお伝えしたように、「食品・食事」だけでは中性脂肪はなかなか下がりません。
あくまで食品は、「中性脂肪が標準内で維持されるための『土台』」でしかありません。ですので、「運動」も必要になってきます。
しかし、食生活を整えれば、運動して効果を実感するスピードがはやくなるのは事実です。
そして、中性脂肪に悩んできた私の想いとしては、できる限り「食事」「運動」を両方行って、「成果をはやく実感」してほしいと思います。そうすると、モチベーションも上がりますし、何より「体が軽くなった」「元気になった」と実感できるはずです。
そういう「好循環」にはまることができるよう、今日からできることを増やしていってみませんか?
- 魚や野菜中心の食生活に変えてみよう
- 毎日「納豆」「豆腐」「わかめ」のうちどれかを食べてみよう
- 食生活を改善したら、運動も併せて行い、成果をはやく出そう
この記事の監修者

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現役内科医・日本内科学会認定内科医
近畿大学医学部卒。2004年医師免許取得(医籍登録番号:第441704号)、2016年医学博士号取得