中性脂肪が高いとリスクの高まる病気がある?!どんな病気にかかりやすくなるの?

中性脂肪が高いことによる病気リスク

「中性脂肪値が高いですね、改善していきましょうか?」と言われたことのある、DHAEPAサプリのススメ編集長の稲垣です。

確かに中性脂肪値が高いのは問題であることは分かります。でも、「だから何?」という疑問も湧くものです。そこで以前に「中性脂肪が悪いと何が悪いのか」という記事を書きました。

【医師監修】中性脂肪が高いと何が悪いの?!お医者さんに言われたら知る知識

2017.09.20

しかし、上記の記事では「病気」については深く書くことをやめました。なぜなら、恐怖心を増やしてしまう可能性があるからです。

その反面で「高まった病気リスクのことをきちんと知りたい」という方もいます。また、中性脂肪値の改善に本気である人ほど、「正しく知りたい」と思っているはずです。

そこでこのページでは、中性脂肪が高いことによってリスクの高まる病気を紹介するとともに、「なぜリスクが高まるのか?」という部分まで詳しく説明していきます。

中性脂肪によってリスクが高まる病気

リスクが高まる病気
稲垣
(中性脂肪が高いって言われたけど、このままだとどうなっちゃうんだ・・・)
斉藤先生
稲垣君、こんにちは。どうしたのかね、考え事かね?
稲垣
中性脂肪の改善は順調ですよ。でも、実際、今の僕ってどんな病気リスクを持っているのかなぁと思って。
斉藤先生
なるほどじゃの。では、中性脂肪が高いことによってどんな病気になりやすくなるのか、真実を紹介しようかの。

中性脂肪が高いことによって、どんな病気リスクが高まるのでしょうか。ここでは4つ、紹介していきます。


  1. 動脈硬化
  2. 脳梗塞、心筋梗塞、狭心症
  3. 脂肪肝と肝硬変、肝臓がん
  4. 高血圧とコレステロール

病気リスク1:動脈硬化

動脈硬化とは、動脈の壁が分厚くなったり、硬くなったりすることによって動脈の働きが悪くなることを指します。

動脈硬化は加齢によって起こる病気だと思っている方が多いのですが、それは正しくありません。実は動脈硬化は、生まれた時からすでに始まっています

つまり、一生かけて動脈は硬くなっていくわけですが、問題なのは下記の原因によって、動脈硬化の進行スピードが速くなることです。

  1. 高血圧
  2. 高脂血症
  3. タバコ
  4. 肥満
  5. 糖尿病
この中で特に中性脂肪が関係しているのは「高脂血症」や「糖尿病」ですが、広義には「どれもに関係している」と言えます。

動脈硬化が進行していくと、心臓に大きな負担がかかったり、臓器や組織の機能に影響を与えたり、時には臓器の壊死や血管の損傷なども起こります。

病気リスク2:脳梗塞、心筋梗塞、狭心症など

ここまでは、中性脂肪値が高い状態だと「動脈硬化の進行スピードがはやくなる」ことを紹介しました。そして、それがある一定のラインを超えるとどうなるのでしょうか。

こうなると、血管が詰まりやすくなったり、血栓ができやすくなったり、体全体に酸素が行き渡らなくなったりしていきます。そして時には臓器へ血液が届けられなくなることもあります。

それが「心筋梗塞」「脳梗塞」「狭心症」といった病気を引き起こすことに関係しています。

高脂血症や動脈硬化の怖い所は、進行しても「無症状」であることが多いという事です。体に危機感も生まれないため、対策をしない人も多くいます。その結果、今の日本では、「心筋梗塞」「脳梗塞」「狭心症」といった死亡率は、がんによる死亡率よりも高くなっているのです。

先ほども紹介したように、動脈硬化は徐々に進行しています。ですので、できる限り早く対策をして、できる限り進行スピードを遅くすることが大切です。

病気リスク3:脂肪肝と肝硬変、肝臓がん

脂肪肝とは肝臓に脂肪がたまり、肝臓が肥満の状態になっていることを言います。私たちが食べた脂質や糖質は肝臓でエネルギーに変換されますが、使われなかったエネルギーは肝臓にも蓄積されます。

この脂肪肝は、日本人の4人に1人がかかっていると言われており、珍しくない症状の1つです。

しかし、そのままにしておくと、肝硬変肝臓がんに進行するリスクが高まることが分かってきました。もちろん先ほど紹介した動脈硬化のリスクも高まります。

脂肪肝も「無症状・無自覚」で進行するため、「いつの間にか進行してしまった」ということもあります。しかし、脂肪肝かどうかは超音波検査で分かりますので、早期発見早期治療もできる症状の1つです。

注意すべきは、脂肪肝の基準は「肝臓の細胞の30%以上に中性脂肪がたまっていること」ですが、正常な場合は「3%~5%」だということです。

例えば「20%」だと脂肪肝だと判定されない場合もあるということであり、「脂肪肝だと判定されなかったから安心」というわけではありませんので注意が必要になります。

病気とリスク4:高血圧とコレステロールの変化

中性脂肪値が高くなると、善玉コレステロール(HDL)が減少し、悪玉コレステロール(LDL)が増えます。これによって体内にたまったコレステロールがうまく排出されなくなり、動脈硬化の進行もはやめます。

また、血液の粘度も高まります。粘度が高まることによって、血管に圧力がかかり、高血圧の原因となっていきます。

これらは「脂質異常症」とも言えます。脂質異常症とは、下記のいずれかに当てはまった症状のことです。

  1. 悪玉コレステロール(LDL):140mg/dL以上
  2. 善玉コレステロール(HDL):40mg/dL未満
  3. トリグリセライド(中性脂肪):150mg/dL以上
この中でも、①の症状がある時には「高コレステロール血症」と呼ばれます。また、①または③がある時には「高脂血症」と呼ばれたりしますが、どちらも脂質異常症であることには変わりありません。

中性脂肪値が高くなる、病気リスクが高まる原因とは?

病気リスクが高まる原因
稲垣
中性脂肪が高いと、悪いリスクが相乗効果で増えていくんですね・・・。でもなんで中性脂肪が高くなってしまうんでしょうか?どうして病気リスクが高まってしまうんでしょうか?
斉藤先生
中性脂肪が高い人は年々増えておるようじゃの。その原因を簡単に紹介しようかの。

このように中性脂肪が高いことによる病気リスクを抱えている人は、年々増加傾向にあることが分かっています。この大きな理由としては以下のことがあります。

  1. 食生活の欧米化(動物性脂肪の摂取)
  2. 交通機関の充実(運動不足)
  3. 基礎代謝の低下(筋肉不足、代謝能力の低下)
他にも細かい部分はたくさんあります(中性脂肪が高い7つの原因)が、「脂肪が過剰にたまりやすい食生活」と「脂肪を消費しない運動不足」が何よりの原因です。

その結果として、今では高コレステロールの人は日本人の30%にものぼります。中性脂肪値が高い人も20%、つまり5人に1人が中性脂肪が高くなっています。

しかし、中性脂肪値は下げることができます。また、対策をはやく始めたほうが、よりリスクも低下することも分かっていますので、今日からできることをできる限り行っていくことが大切です。

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中性脂肪を下げるための改善ポイントはチェックしよう

改善ポイントはチェック

ここまで中性脂肪が高いことによって起こる可能性のある病気を紹介してきましたがいかがでしたか?記事内では紹介できませんでしたが、「脂質異常症の危険因子」というものが発表されています。

  • 過食
  • 多量の飲酒
  • 運動不足
  • 過剰な脂質の摂取
  • 高カロリー食
  • タバコ
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 遺伝
これが脂質異常症において「危険因子」とされているものです。つまり、これらを改善すれば、ここまで紹介した病気リスクを低下させることができるということです。

ですので、まずはこの危険因子をできることから減らしていく努力をしてみましょう。

また、「結果が出るまで」が一番つらい所です。そのため、下記記事では「できる限り努力なしで血圧を下げる方法」を紹介しています。※血圧を下げることと中性脂肪を下げることとしてやることはほぼ同じです。

努力が嫌いと言う方は、まずは下記記事で紹介していることからはじめてみてはいかがでしょうか。

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