「血液がドロドロ」
こう聞くと、なんだか血液の流れがドロっとしていて、流れが悪いような、そんなイメージを持たれる方が多いと思います。
実際の映像が下記動画にあります。
(1分30秒あたりにサラサラとドロドロの比較映像があります。)
これを見ても分かるように、サラサラはスムーズ、ドロドロはめぐりが悪い。
そんな印象を持たれる方が多いのではないでしょうか。
しかし、そもそも「血液がドロドロ」とはどんな状態なのでしょうか?
また、血液がドロドロになる原因は何なのでしょうか?
症状や対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
このページでは、血液がドロドロの本当の意味と、症状、原因、対策方法をまとめて紹介していきます。
それではいきましょう!
もくじ
血液がドロドロってどんな状態なの?





「血液がドロドロは悪いコト」
そう思っている人が多いですが、実はそうではありません。
むしろ「サラサラの方が悪い」こともあるんです。
もしかしたら「ドロドロを解消したい」と思っているかもしれません。
「はやくドロドロの解消法を教えてよ!」と思われるかもしれません。
しかし、まずは「血液がドロドロ」の本当の意味から知っておくことが大切です。
- 中性脂肪と悪玉コレステロール
- 血液がドロドロは悪いコト?
- 血液がサラサラは良いコト?
中性脂肪と悪玉コレステロール

「血液がドロドロになる原因」
これについて多くの人は、「中性脂肪や悪玉コレステロールが原因になっている」と思っています。
しかし、中性脂肪やコレステロールは血液の状態に影響は与えるものの、血液がドロドロか、サラサラかどうかは、中性脂肪や悪玉コレステロールの高さでは決まりません。
あくまで血液のドロドロ・サラサラに関する状態は、
- 水分
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
- 血清のタンパク質
これらの量によって決まります。
そして、テレビ出演もしている池谷先生も、血液がドロドロの状態についてこう述べています。
「血液ドロドロとは、水分が少なく、血小板の活性が高まって固まりやすくなっている状態。血液中のコレステロールや糖が多いことではありません」
つまり、「中性脂肪が高いからドロドロ」「悪玉コレステロールが高いからドロドロ」というのは、間違った理解なんです。
血液がドロドロは悪いコト?

先ほども紹介したように、「血液がドロドロ」は悪いことでも良いことでもありません。
なぜなら「状態」を「分かりやすく表現」しただけだからです。
しかし、過度なドロドロは、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながります。
動脈硬化や高血圧なども、知らず知らずのうちに進行することもあります。
- 動悸を感じる
- 走ると胸が痛くなる
- めまいを感じる
- 頭痛を感じる
- 物忘れがひどくなる
などの症状に心当たりがあり、血液がドロドロになる生活習慣に心当たりがある人は、この後紹介する原因を知り、対処法をやってみましょう。
血液がサラサラは良いコト?

また、「サラサラだから良い」というわけでもありません。
血液がサラサラになってしまったらどうなるでしょうか。
まず「血管にかかる圧力」=「血圧」が下がり、低血圧になってしまいます。
低血圧になるからこそ、立つことができず、フラフラしてしまうでしょう。
次に「貧血」も起きます。
血液がサラサラになると赤血球が膨らんでしまい、破裂してしまうからです。
最後に「血液が止まりにくく」なります。
例えば出血した時も、サラサラな人は出血が止まりません。
このように「血液がサラサラだから良い」というわけでもありません。

しかし、血液がドロドロであることは重大な病気につながる恐れがあります。
では、血液はどうしてドロドロになってしまうのでしょうか?
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血液がドロドロになる4つの原因

中性脂肪や悪玉コレステロールが血液ドロドロの原因ではないとしたら、何が血液ドロドロの原因になっているのでしょうか?
この理由は主に4つあります。
- 赤血球の増加
- 赤血球が硬くなる
- 血小板が固まりやすくなる
- 白血球の粘着性が高まる
赤血球の増加
体が水分不足になると、血液中の液体が減ります。
「川」に例えてみましょう。
水の多い上流では、大きな石を運ぶ力があります。流れが良い状態です。
しかし、水が減り、流れの滞った下流になると、小さな石も運べません。
つまり、水分量が減ることで、赤血球が増加します。
赤血球が増加しますが、水分量が少ないため、赤血球が流れにくくなります。
これが血液がドロドロになる原因の1つ目です。
それは正しいです。
確かに水分を摂取すれば一時的にはサラサラになります。
しかし、根本的な解決にはなっていません。
また、先ほどもお伝えしたように「サラサラだから良い」「ドロドロだから悪い」というわけではありませんから、水分だけ摂ればよいというわけではありません。
赤血球が硬くなる
赤血球は柔軟性があります。
柔らかさがあるため、狭い所でも変形して通りやすくなっています。
例えばスポンジ。
柔らかいので、水筒を洗う時も、奥まで入れることができますよね。
でも、タワシだったらどうでしょう。
硬いので、水筒を洗うどころか、入り口さえ通ってくれません。
このように、赤血球が硬くなると、血管の狭い所を通りにくくなってしまい、ドロドロになります。
これが血液がドロドロになる原因の2つ目です。
血小板が固まりやすくなる
糖質や脂質の摂取、喫煙、激しい運動など様々な原因はあるのですが、血小板が固まりやすくなることによって血液がドロドロになることもあります。
血小板が固まりやすくなるということは、血小板同士で集まりやすくなるという事です。
1つの分子が5つ結びつけば、5倍の大きさになります。
大きくなれば、当然流れにくくなります。
これが血液がドロドロになる3つ目の原因です。
白血球の粘着性が高まる
白血球には「粘着能」という働きがあります。
例えばウイルスが体に侵入した時。
この時白血球は、血管壁にくっつき、ウイルスを攻撃します。
これが粘着能です。
しかし、白血球の粘着能が高まりすぎると、白血球が血流の流れを悪くすることがあります。
これが血液がドロドロになる原因の4つ目です。
ストレスや喫煙によっても高まります。
ですからストレスを感じたり、タバコを吸う人は、白血球が血流を悪くし、血液がドロドロになるからこそ、顔色が悪く見えることがあります。
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血液がドロドロかどうかのセルフチェックと代表的な症状
ここまで「血液がドロドロの本当の意味」「血液がドロドロになる原因」の2つを紹介してきました。
しかし、血液がドロドロになると、どんな症状が現れやすいのでしょうか?
ここでは、血液がドロドロすぎるのかどうかのセルフチェック項目と、代表的な症状について紹介します。
- 血管の状態をセルフチェックしよう
- 血液がドロドロな時の症状
- 血液がドロドロになりやすい人の特徴
血管の状態をセルフチェックしよう
まずは血管です。
血管は弾力性があり、息を深く吸うと脈拍が少しはやくなり、吐くと少し遅くなるという特徴があります。
まずは脈を測りながら、息を吸ってみましょう。
そして3秒ほど止めて息を吐きましょう。
これを3回ほど繰り返してみて、「吸うとき」「吐くとき」で脈拍が変わらない場合は要注意のサインかもしれません。
血液がドロドロな時の症状
次に血液がドロドロかどうかのチェックです。
血液がドロドロになると以下の症状が起きやすいと言われています。
- 疲れやすくなる
- 舌の色が悪くなる
- 動悸を感じる
- 走ると胸が痛くなる
- 手足がしびれやすい
- めまいを感じる
- 頭痛を感じる
- 息苦しさを感じる
- 手足の力が抜けることがある
- 物忘れがひどくなる
他にもありますが、上記の症状に心当たりがあれば、この後紹介する対処方法をチェックしてみましょう。
血液がドロドロになりやすい人の特徴
また、血液がドロドロになりやすい人には以下の特徴があります。
- 朝食を抜くことが多い
- 外食が多い
- 野菜をあまり食べない
- 早食い・飲みこんで食べる
- タバコを吸う
- 揚げ物など脂っぽい食事が好き
- お酒を飲む
- お菓子を食べる
- ストレスを感じている
これらは血液がドロドロになる生活習慣です。
これらに心当たりがある方も、この後紹介する対処法をチェックしてみましょう。
血液をサラサラにする方法
では、どうしたら血液をサラサラにすることができるのでしょうか?
これについては以下の方法が効果的です。
- ストレッチをする
- 有酸素運動をする
- 水分を摂取する
- DHA・EPAを摂取する
- ナットウキナーゼを摂取する
- 海藻類を食べる
- たまねぎを食べる
- 「おさかなすきやね」を意識した食生活に変える
- サプリメントを有効活用する
- 腸内環境を改善する
- 良質な睡眠をとる
この11の方法はとても大切なことですので、別記事で詳しく紹介しています。
血液をサラサラにするサプリメントについて
「食事改善がなかなか難しい」
そんな方に有効活用してほしいのが「サプリメント」です。
例えば、マルハニチロとさくらの森の共同開発サプリ「きなり」には、「DHA・EPA」と「ナットウキナーゼ」が配合されています。
例えば、日清食品の「DHA&EPA+ケルセチン」には、「DHA・EPA」とサラサラ成分「ケルセチン」が配合されています。
食生活が乱れがちな人は、サラサラ成分が不足しています。
不足しがちなサラサラ成分をサプリメントで補っていくようにしましょう。
この記事の監修者

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現役内科医・日本内科学会認定内科医
近畿大学医学部卒。2004年医師免許取得(医籍登録番号:第441704号)、2016年医学博士号取得