「高血圧は、日本では4300万人というもっとも患者数の多い生活習慣病」
この言葉は、日本高血圧学会の発行する冊子「高血圧の話」の冒頭に書かれている文言です。
日本人の3人に1人。
それだけ高血圧患者は日本に多いですし、脳卒中や心臓病、腎臓病などのリスクも高まることが分かっていますから、「予防のためになんとかしたい」と思っている人も多いでしょう。
そこで知りたいのが「血圧を下げる方法」です。
方法が分かることで見通しが持て、希望が持て、血圧を下げることができます。
今回は、現役内科医の浦和医師に監修していただきながら、高血圧治療ガイドラインに書かれている血圧を下げる7つの方法と、できるだけ楽に血圧を下げる5つの方法を、それぞれ紹介していきます。
それでは、まいりましょう!
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ガイドラインに掲載されている血圧を下げる7つの方法

まず知っておきたいのが「高血圧治療ガイドライン2014」です。

高血圧に関する研究は比較的進んでいます。
そして、「これをやれば血圧が下がる」という方法が確立されてきています。
まずは「高血圧治療ガイドライン2014」に掲載されている、血圧を下げる7つの方法と内容を知ることから始めてみましょう。
- 高血圧治療ガイドライン2014
- やることはシンプルなのになぜ血圧が下がらないのか?
高血圧治療のガイドライン2014
「高血圧治療ガイドライン2014」には、以下の7つの方法が血圧に効果的だと書かれています。
項目 | 内容 | 備考 |
減塩 | 1日6g未満 | ※1mg減らすと、1日1mmHg減少するというメタアナリシス成績あり |
野菜・果物 | 野菜果物を積極的に摂取する | ※DASH食を意識する |
脂質 | ・コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える ・魚・魚油の積極的摂取 |
※DASH食を意識する |
減量 | BMIを25未満にする | |
運動 | 有酸素運動を中心に毎日30分以上を目標に行う | |
節酒 | エタノールで男性20~30ml/日、女性10~20ml/日以下 | |
禁煙 |
つまり、「塩分の摂取を減らし、野菜と魚中心の食生活をし、アルコールを減らし、運動・ダイエットも行う」という事です。
BMIは「Body Mass Index」の略で体格指数を表しています。
身長と体重のバランスを見る国際的な肥満指標です。
BMIの計算は「BMI=体重(kg)/{身長(m)}の2乗」で求めることができます。
DASH食とは、ある栄養素を積極的に摂取するのではなく、組み合わせを改善することで血圧コントロールをする食事療法です。
具体的には、動物肉やコレステロールの高い食品を減らし、野菜や魚介類、大豆、海藻類などを増やします。
やることはシンプルなのに、なぜ血圧が下がらないのか?
「塩分を減らす」「野菜と魚を食べる」「アルコールを減らす」「運動する」・・・血圧を下げる方法は分かってきているのですが、問題もあります。
それが、これらの血圧を下げる方法は「習慣」だということです。
習慣を変えることは難しいです。
「運動が大事」と分かっていても、ついつい運動せずに毎日を過ごしてしまうこともあります。
「食生活が大事」と分かっていても、普段と違う食材を使って料理したり、調味料の量を調節したりというのは、なかなか大変です。
では、習慣をほとんど変えることなく、できるだけ簡単に血圧を下げる方法はないのでしょうか?
できるだけ簡単に血圧を下げる方法

血圧を下げるために必要なのは「適度な運動」と「食生活の改善」です。
この2つの習慣を改善する必要があります。
しかし、運動したくないものはしたくありません。
食生活もやっぱり脂っこいものが食べたい時もあります。
毎日制限すると辛いですし、時にはストレスで心が弱ってしまうこともあるでしょう。
血圧が下がっても元気がなくなったらそれこそ本末転倒です。
そこで、どのようにしたら「楽」に運動と食生活の改善ができるか考えました。
そして、思いついたらすぐに実行していきました。
その結果、「これはおすすめできる!」「苦も無く継続できる!」というものが出てきましたので、そんな「やって良かったこと」を紹介していきます。
血圧を下げる食生活改善方法
まずは、運動よりも簡単な「食生活」の改善方法を紹介していきます。
- よく噛んで食べる
- タンパク質、炭水化物の前に「野菜」を食べる
- 魚はDHA・EPAサプリで補給する
よく噛んで食べる

「よく噛んで食べる」という単純なことですが、これはとても大事なことの1つです。よく噛んで食べると、満腹中枢がはたらきやすくなり、こんな良いことがあります。
- 少量でも満足できるようになる⇒減塩とカロリーコントロールができる
- 味わって食べるので、食事が美味しく感じる
- 高級料亭へ行っても、少ない注文で満足できる⇒経済的
「いつもより味わって食べる」たったこれだけのことで血圧ケアができてしまいます。
タンパク質、炭水化物の前に「野菜」を食べる

それに加えて「野菜を先に食べる」とより良いです。つまり、「食物繊維を先に食べる」ということです。
これをすると、どんな良いことがあるかと言いますと・・・
- 高血圧ガイドラインの「野菜中心の食生活」が満たされる
- 炭水化物や肉類を食べ過ぎないで済む
- 食後の血糖値が上がりにくくなる
- 少量の炭水化物でも満足できる
- ダイエット効果がある
ただ単に野菜から食べるだけで、こんなにも多くの効果があります。
たった2つの方法で血圧ケアはスタートできる
ここまで「よく噛んで食べる」「野菜を先に食べる」というたった2つの方法を紹介してきました。
この2つができるだけで、先ほどのガイドラインにある「減塩」「野菜・果物中心の食生活」「脂質制限」「肥満解消」の4つを満たすことができます。
ですので、普段の食生活を大きく変える必要はありません。
さらに、続ければ続けるほど、それが「当たり前」になってきますし、体調の良い変化に気づけばそれがモチベーションになって「さらに継続しよう」という気持ちにもなれます。
魚はDHA・EPAサプリで補給する

私は豚肉や牛肉などの肉類が大好きです。そして魚は嫌いです。ですので、ガイドラインに「魚」が書いてある時点で、「魚食べなきゃいけないのか・・・」とショックを受けたことを覚えています。
しかし、魚を食べるのは、「DHA・EPA」が摂取できるからです。※DHA・EPAには血圧を下げたり、中性脂肪値やコレステロール値を下げるはたらきがあることが分かっています。
つまり、私のように魚嫌いだとしても、DHA・EPAをサプリで補えば、最低限の対策ができているということになります。
また、DHAEPAは「毎日摂取」が基本です。
毎日魚を食べる人はいいのですが、魚を食べない日などは必要に応じてDHA・EPAをサプリで摂取するようにしましょう。
①「よく噛んで食べる」「野菜から食べる」の2つを行うことで、ガイドライン2014の生活習慣の修正項目7つのうち、「減塩」、「野菜・果物」、「脂質」、「減量」の4項目を改善させることができ、血圧を下げることができる。
②魚を食べない日はDHA・EPAをサプリでいいので摂取すると、修正項目「脂質」が改善し、血圧が下がる。
血圧を下げるための運動方法

食生活の改善がスタートできたら、「運動」も負担の少ないところからスタートさせてみましょう。
筆者は私は運動が嫌いです。
だからこそ高血圧で悩むことになったのですが、そんな運動嫌いな私にとって、運動をすることはストレスです。
そんなズボラな筆者でもできた、日々の生活に取り入れやすい運動改善を紹介します。
- 趣味に合わせた運動を取り入れよう
- 楽しいスポーツやゲームをしてみよう
趣味に合わせた運動を取り入れよう

血圧を下げるためにまずおすすめしたいのが「自分の趣味」に合った運動を取り入れるという事です。
例えば筆者の場合は「読書」が好きです。
本屋さんはよく行き、何か良いものがないか探したりします。
そこで、それをなんとか運動にできないかと考え、定期的に「大型」の本屋さん行くようにしました。
すると、本屋までの移動にも運動ができますし、本屋の中でも運動をすることができます。
やっていることは「楽しく本探し」をしているだけです。
つまり「楽しく運動」できています。
このように、「趣味」を運動にすることができるかどうか考えてみて下さい。
それは「インスタ映えする写真を撮りに行く」でもいいですし、「旅行に行く」「ゲームのイベントに出かける」でもいいでしょう。「最先端のスマホを見に行く!」というのも良いですね。
このように、趣味ベースで考えると、運動が「おまけ」になります。
辛さを感じることなく運動することができますのでオススメです。
楽しいスポーツやゲームをしてみよう

そうなってくると「もっと楽しく運動できないものか」と考えるようになりました。
そして筆者はありとあらゆるゲームやスポーツをやってみることにしました。
私の場合は、
- 卓球をする
- スポーツのできるゲームセンターへ行く
- スケート場に行ってみる
- 登山(ハイキング)をしてみる
このような「遊び感覚」のものを選んでやってみました。
もちろん合う合わないはあります。
しかし、一度やってみると意外と楽しいものに出会えます。
筆者が最近ハマり始めたのは「テニス」です。
近くのジムでテニス場ができて体験してみたのですが、楽しかったので入会しました。
このように「体を動かす楽しい遊び」を発掘するのもオススメです。
成果が出てくると、運動が楽しくなってくる

そうして生活の中に運動を取り入れていくと、「成果」が出て「もっと運動がしたい!」と思うようになることがあります。
その「成果」とはズバリ
- 体重と体脂肪の減少
- 体力向上の実感
- 見た目(スタイル)の向上
などです。
こうして目に見える形で成果が出てくると、「もっと頑張ろう」「もっとやってみよう」とモチベーションが高まります。
そうして「プラスのスパイラル」になると、その後は「大丈夫、血圧は絶対下がってる」と自信が持てるようになります。
自信が持てれば継続することも簡単になります。
ですのでまずは、やれることから気楽に初めてみましょう。そして、実感できてからステップアップし、さらに血圧対策をしてみてはどうでしょうか?
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まずは1か月苦労してみて、成果を出すのも1つの方法です
ここまでは「できる限り楽をして」運動し、血圧を下げる方法を紹介してきましたが、反対に、「とにかくまずは頑張ってみて、1か月で成果を実感する」というのも1つの方法です。
1ヵ月と期限を決めて、とことんやって、成果が出ればあとは好循環という方法ですね。
この場合は、1か月経って成果が出ないときに2か月目も頑張れるか?が大事なポイントです。
「1か月頑張って結果が出なくても2か月目頑張ろうと思えるか?」を自分に聞いてみて、「自信をもってYES」であれば、やってみるのもいいかもしれません。
まとめ
ここまで血圧を下げる7+5つの方法を紹介してきました。
まとめると以下のようになります。
- 高血圧治療ガイドライン2014に掲載された7つの方法
1:減塩⇒1日6g未満にする
2:野菜・果物⇒野菜果物を積極的に摂取する
3:脂質⇒コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控え、魚・魚油を積極的に摂取する
4:減量⇒BMIを25未満にする
5:運動⇒有酸素運動を中心に毎日30分以上を目標に行う
6:節酒⇒エタノールで男性20~30ml/日、女性10~20ml/日以下
7:禁煙 - 血圧をできるだけ簡単に下げる5つの方法
1:よく噛んで食べる
2:タンパク質、炭水化物の前に「野菜」を食べる
3:DHA・EPAサプリでDHAEPAを補給する
4:趣味に合わせた運動を取り入れる
5:楽しいスポーツやゲームをする
「できることから始めること」
それが血圧ケアの第一歩です。
特に「よく噛んで食べる」「DHAEPAサプリでDHAEPAを補給する」というのは誰でも今日からできることですからやってみてくださいね。
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時間をかけて血圧を下げるようにしよう
今回紹介したのは、「簡単な習慣を変えて」「無理をせず」血圧を下げる方法です。つまり、短期間で成果が出ることもあるかもしれませんが、それでも苦がない分、成果が出るまでに時間がかかります。
また、最初にお伝えした「ガイドライン」を完全無視して、
- ゆっくり食べてもたくさん食べる(今までと同じ量を食べる)
- 運動をした分しっかり食べる
となってしまっては意味がありませんので、最初にお伝えしたガイドラインを「なんとなく」でもいいので意識しておくことが大切です。
また、「もっと頑張りたい!」という人は、下記記事を参考に「負荷をかけない運動」をしてみましょう。
アルコール・お酒をたしなむ方は、1日の上限量を守ることも大切です。
この記事の監修者

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現役内科医・日本内科学会認定内科医
近畿大学医学部卒。2004年医師免許取得(医籍登録番号:第441704号)、2016年医学博士号取得