「γ-GTPが高いですね、お酒を控えるようにしましょう」と言われることがよくあります。しかし、γ-GTPが高いと何が悪いのでしょうか?また、そのままにしておくと、どんな病気リスクが増えるのでしょうか?
このページでは、前半部分でγ-GTPが高くなる原因とリスクについて、後半部分ではγ-GTPを下げる5つの方法について紹介していきます。
こんにちは!DHAEPAサプリのススメ編集長の稲垣です。
私は過去の健康診断で、中性脂肪やコレステロールが高いだけでなく、γ-GTPも70ほどありました。この数値はすごく高いというわけではないですが、お医者さんからは飲酒による影響が大きいと言われ、「できるだけお酒を減らしましょう」と言われた過去があります。
当時の自分は「γ-GTPが高いから何が悪いのか?」という気持ちでいましたし、それが分かるまではγ-GTPが高いからと言って特に気にしていませんでした。
しかし、そのままにして受けた1年後の健康診断では、さらにγ-GTP値が高くなっており、「脂肪肝が進んでいる可能性がある」とまで言われてしまいました。
「このままではいけない」と思いはじめ、後半で紹介する対策を始め、その結果としてγ-GTPを37まで下げることができました。
このページでは、私のようにγ-GTPが高いから何が悪いの?と思っている方もいるであろうことから、γ-GTPが高いことによるリスクの紹介や、すでにγ-GTP値が高くて下げたいという人に向けて、私自身がγ-GTP対策としてやってきたことを紹介していきます。


γ-GTPとは?高いとどんな病気リスクがあるのか?

「γ-GTP」とは、幹細胞や胆汁の中など、様々な臓器の中に含まれている分解酵素の1つです。正式名称は「ガンマ・グルタミルトランスペプチダーゼ」と言って、解毒のために必要な酵素の1つです。
このγ-GTPという酵素は臓器の細胞が壊れることによって血液中に流れ出しますが、主に肝臓から血液中に流れ出すこと、アルコールに対してよく反応することから、γ-GTPが高い=肝臓の細胞が破壊されている=お酒の飲み過ぎであると判断されることが多いです。
しかし、単純にγ-GTPが高い=節酒が必要と結論付けることはよくありません。ここでは、γ-GTPが高いことについて、誤解しがちな知識について整頓していきましょう。
- γ-GTPが高いこと自体は悪いことではない
- γ-GTPが高い原因はお酒だけではない
- 「体に何の症状もないけど・・・」が怖い理由
- γ-GTPが高い場合の病気リスク
γ-GTPが高いこと自体は悪いことではない
まず、γ-GTP値が高いこと自体は決して問題ではありません。問題なのは、γ-GTPが高い=肝臓や胆管に大きな負担がかかっていることが問題です。
特に、お酒を飲む習慣がある人は、毎日肝臓にダメージを与え続けています。ですので、一時的にお酒を減らすのではなく、「節酒する習慣(できれば禁酒)」をつけることが大切です。
ここでは、γ-GTP値が高い=肝臓や胆管に大きな負担がかかっていて、細胞が壊れている状態であることを理解しておきましょう。
γ-GTPが高い原因はお酒だけではない
γ-GTPが高い=肝臓や胆管に負担がかかっていることですので、お酒以外にも、例えば「薬」を飲むことでγ-GTPが高くなることがあります。
特にステロイド系、抗生物質、解熱鎮痛薬などは、肝臓で分解する必要のある薬であり、γ-GTPが高くならない可能性はゼロではありません。
また、薬以外でも、「脂肪肝」「中性脂肪が高い」「糖質の摂りすぎ」なども、γ-GTPが高くなる原因の1つです。
糖質や中性脂肪は肝臓で分解されますが、過剰な糖質や脂質の摂取は、肝臓がオーバーワークになりがちで、γ-GTPが血液中に流れ出す要因となるからです。
ここでは、「肝臓に負担をかけること」がγ-GTPを高くするということを覚えておきましょう。
「体に何の症状もないけど・・・」が怖い理由
そして、一番恐ろしいと筆者が常々感じているのは、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれていて、何かしらの障害が起こっていても、体に症状として表れないことです。
熱が出れば体調が悪くなり、悪化する前に病院で点滴を受けることができます。骨折すれば当然その部分は痛いので、そのままにせず病院で適切な治療を受けることができるでしょう。
しかし、肝臓の場合は、そのような不快な症状が現れません。ですので、病気だと分かった時には、すでに深刻な状態になっていることが多いのです。
ですので「γ-GTPが高いけど、何の症状もないから大丈夫」という思い込みは危険です。何の症状もないうちに、できる限りのγ-GTP対策をすることが大切になってくるのです。
γ-GTPが高い場合の病気リスク
では、もし何の対策もせずに、γ-GTPをそのままにしておくと、どのような病気リスクが高まってしまうのでしょうか?これについては、下記の疾患が関連していると言われています。
- 急性ウイルス性肝炎
- 慢性肝炎
- 肝硬変
- アルコール性肝障害
- 薬物性肝障害
- 脂肪肝
- 肝がん
- 胆道疾患
- 閉塞性黄疸
- 肝内胆汁うっ帯
γ-GTPが高くなると上記の病気リスクが高まります。また、反対に上記の病気になることでγ-GTPが高くなることもあります。
ここで大切なのは、私たちにできることは①γ-GTPが高い=肝臓を休ませてあげることだということを理解すること、②γ-GTPが高くなる病気を発症していないか健康診断を受けることの2つです。
すでに何かしらの病気の危険性がある場合には、医師の診察の元、早期治療に専念しましょう。そして、現在γ-GTPが高くても健康な場合は、これ以上悪化させないように対策をすることが必要になってきます。




γ-GTPを下げるには?有効な対策方法5選
ここからは、γ-GTPを基準値内にするために有効な対策方法を5つ紹介していきます。
筆者の場合はこれらをすべて行うことで、1年後の健康診断で基準値内にすることができました。それとともに、中性脂肪値やコレステロール値も大きく改善していきました。
ポイントは、魔法のような方法を行う事ではなく、「当たり前のことを最低限行う」ことです。それでは具体的に下げる方法を紹介していきます。
- お酒の量を減らすことに挑戦する
- 肝臓に悪い食べ物の摂取を控える
- 肝臓に良いタウリン、亜鉛、オルニチンを含む食べ物を摂取する
- γ-GTP改善に効果のあるサプリメントを活用する
- 適度な運動を行う
下げる方法1:お酒の量を減らす

γ-GTPの値が高い人の多くは、お酒を普段から愛飲している人が多いです。もしかしたらこれを読んでいる方もお酒を飲む頻度が多いかもしれませんね。
その場合には、禁酒がオススメではありますが、まずはお酒をやめるのではなく、量を減らすことをしてみましょう。(お酒をやめたストレスで、数週間後に大量に飲んでしまっては本末転倒ですからね。)
そして、もし禁酒がストレスでない・耐えられるのであれば、禁酒をしてみましょう。γ-GTP100未満であれば、1週間ほどで基準値内に改善することもできます。
下げる方法2:肝臓に悪い食べ物を控える

γ-GTPが高くなるのは、お酒だけではありません。先ほども紹介したように、肝臓をオーバーワークさせるような食べ物によっても、γ-GTPは高くなります。
そんなγ-GTPを高める食べ物には大きく3種類があります。
- 脂質の多い食べ物
- 糖質が多い食べ物
- 炭水化物
特にスイーツや脂っこい食べ物などは、肝臓に負担をかけるとともに、中性脂肪を高める原因にもなります。これらは食べてはダメということではなく、食べ過ぎに注意が必要な食べ物です。
毎日脂っこいものや糖分の多い物を食べるのではなく、魚食中心の食生活や、甘い物が食べたい時には糖分控えめのゼリーなどに変更し、できる限り脂もの、糖分が多いものの食べ過ぎにならないようにしていきましょう。
下げる方法3:肝臓の負担を減らす、修復する食べ物を摂取する
ここでは、肝臓の負担を減らしたり、肝臓を修復したりすることを通して、γ-GTPを下げる効果のある食べ物を紹介していきます。
9種のアミノ酸をすべて含む「シジミ」

肝臓の負担を減らすとともに、肝臓を修復する食べ物についてまず紹介したいのが「シジミ」です。
シジミには、肝臓の負担を減らし修復する「タウリン」が豊富に含まれていますし、アンモニアを分解し、解毒作用を助ける「オルニチン」も多く含まれています。
また、そんなタウリンやオルニチンなどの「必須アミノ酸」は、1つでも欠けると効果が半減してしまいますが、シジミには9種類すべての必須アミノ酸が含まれています。
ですので、お酒をどうしても飲みたい日には(できるなら普段も)、シジミを使った味噌汁などを一緒に飲むようにすることは非常に良い対策法だと言えるでしょう。
亜鉛、タウリン、アミノ酸の多い「牡蠣」

牡蠣は海のミルクと言われています。これは、牡蠣に豊富な栄養素(タウリン、18種類のアミノ酸、亜鉛、ビタミン・ミネラルなど)が含まれているからです。
これらの栄養素によって、胆汁酸が増加しコレステロールが下がり、中性脂肪が排出されることで脂肪肝が予防され、肝臓の分解や代謝の機能を助けるため、肝機能が高まります。
結果的にγ-GTPを下げるとともに、中性脂肪やコレステロールのケアにもなります。ただし牡蠣は高価で、なかなか毎日食べられるものではないため、サプリメントでの摂取がオススメになります。
ウコンの天然成分「クルクミン」

肝臓の機能を改善し、γ-GTPだけでなく、AST、ALT値も下げる機能が報告されているのが、ウコンなどに多い「クルクミン」です。
このクルクミンには、「健康な人の肝臓の機能の一部である肝機能酵素(GOT、GPT、γ-GTP)に対して健常域で高めの数値の低下に役立ち、健康な肝臓の機能を維持します。」という機能性表示が可能な、肝機能成分で唯一の機能性表示成分です。
先ほど紹介したシジミや牡蠣には、肝機能の値を改善する作用が科学的に証明されていませんが、このクルクミンにおいては実証されていますので、「科学的に証明された成分を摂取したい」という場合には、クルクミンを配合したウコンを食べるようにしましょう。
下げる方法4:γ-GTPの改善効果のあるサプリメントを利用する
普段の食生活をより肝臓に良いものにするためには、毎日必要な栄養素を補える「サプリメント」を上手に使うことが大切です。
しかし、このようなサプリメントは多くあり、中には「粗悪品」と呼ばれるものまで数多くのサプリが発売されているのが現状です。
ここではその中でもオススメの肝機能改善サプリを紹介していきます。
肝機能酵素の数値低下が実証されたサプリ「セラクルミン」

セラクルミンとは、特許取得のクルクミンのことで、従来のクルクミンよりも吸収率が27倍になっているクルクミンのことです。
そんな独自のクルクミン=セラクルミンを使用したサプリメント「セラクルミン」は、肝機能酵素(GOT、GPT、γ-GTP)に対して数値を下げるために役立つ機能性表示食品となっています。
γ-GTPを下げるための機能が科学的に証明されているサプリメントは、日本ではこのセラクルミンしか存在していません。
また、このセラクルミンは、京都大学医学部付属病院、慶応大学医学部、徳島大学、静岡県立病院、埼玉医科大学総合医療センター、京都医療センター、MD Anderson、テキサス大学、UCLAなどと連携した臨床試験が始まっています。
「せっかくならγ-GTPを改善させる機能のあるサプリメントを選びたい」という方にオススメですし、DHAEPAサプリのススメ編集部でも、肝機能改善のために一押しのサプリメントとなっています。
シジミと牡蠣を両配合した有名サプリ「レバリズムL」

レバリズム-Lは、γ-GTPが高い方の使用者が多い人気サプリメントの1つで、シジミや牡蠣の成分を豊富に含んでいることが特徴です。
シジミは静岡県産のみを使用、牡蠣エキスは岡山県産のみを使用、スクワレンは千葉県産のみを使用し、国産が使える部分はとことん国産にこだわったサプリメントで、現在「数値撲滅モニターキャンペーン」を行っています。
特に「お酒の付き合いが多く、飲み会を断りにくい」「肝臓数値が気になる」「脂ものを食べるともたれるようになってきた」という方にオススメのサプリメントです。
これ以外にも様々なサプリメントがありますが、科学的に実証されたサプリや口コミレビュー数が多いサプリは上記の2つのみです。
DHAEPAサプリのススメ編集部では、「よりよいサプリを提案する」ことも使命として考えていますので、これ以外のサプリメントについては紹介いたしません。申し訳ありません。
下げる方法5:適度な運動も大切です

また、忘れてはいけないのが「適度な運動」です。運動することで、肝臓周りの脂肪が燃焼され、肝機能の改善に有効だと言われているからです。
しかし、運動がいいからと、激しい運動をすることも逆効果になりかねません。そこで、γ-GTPが高い方には、ウォーキング程度の軽い負荷の運動を1日に30分以上することがオススメです。
運動に関しては下記記事でおすすめの種目や負荷について詳しく説明していますので、この記事でのこれ以上の説明は省かせていただきます。
【さいごに】γ-GTPを下げるには、日々の継続が大切
このページでは、後半部分でγ-GTPを基準値にするために、
- お酒の量を減らす(できれば禁酒をする)
- 肝臓にダメージを与える、脂質や糖質、炭水化物の過度な摂取を控える
- 肝臓に良い「シジミ」「牡蠣」でアミノ酸や亜鉛を補給したり、肝臓の数値改善に有効だと科学的に認められた「クルクミン」を摂取する
- 肝臓に良い栄養素を日々補給するためにサプリメントを有効活用する
- 毎日30分、軽いウォーキングをする(運動不足の解消)
について紹介してきました。
これらの方法によって、γ-GTPは下がっていき、多くの人は1年ほどあれば基準値内にすることができるでしょう。しかし、大切になるのは、これらの方法を「継続」し、肝臓に良い生活を「習慣化」することです。
その習慣作りは、その後の健康な肝臓数値を維持することにつながります。
「1年頑張ったけど生活が逆戻りして、また肝臓の数値が悪くなってしまった・・・」では本末転倒ですので、まずはできることから、少しずつ習慣化していきましょう。そして、確実に肝臓に良い生活を身につけていきましょう。
それではここまでお読みいただきありがとうございました。
○血糖値も気になる方は下記記事をご覧ください
○肝臓周りの脂肪など、内臓脂肪を落としたい方に向けて、下記記事では、適切な運動量と最低限気を付けるべき食生活を紹介しています。
この記事の監修者

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現役内科医・日本内科学会認定内科医
近畿大学医学部卒。2004年医師免許取得(医籍登録番号:第441704号)、2016年医学博士号取得