シクロデキストリンはオリゴ糖の1種です。
グルコースの結合数によって名称が変わり、グルコースが6個結合したものを「α-シクロデキストリン」、7個結合したものを「β-デキストリン」、8個結合したものを「γ-デキストリン」と呼んでいます。
シクロデキストリンは水の入っていないコップのような形をしています。
「食べ物の中に入っている脂質をコップの中に直接入れるようなはたらき」=「包接」という作用がありますから、脂質の吸収を抑制したり、中性脂肪をカットするはたらきを持っています。
しかし、シクロデキストリンのはたらきはこれだけではありません。
特に、シクロデキストリンの中でもα-シクロデキストリンは、
- 脂質の吸収抑制と中性脂肪のカット
- コレステロールのカットと吸収抑制
- 飽和脂肪酸の選択的な排泄と、不飽和脂肪酸の吸収率増加
- 炭水化物の分解・吸収の抑制
- 糖(スクロース)の分解・吸収の抑制
- 整腸作用
- アレルギーの改善効果
など、一般的な難消化性デキストリンにはない機能性を持っています。
しかし、これらの効果はどれくらいあるのでしょうか?
シクロデキストリンは本当に有効なのでしょうか?
このページでは「α-シクロデキストリン」の効果を科学的エビデンスをもとに紹介していきます。
それでは、いきましょう!
もくじ
α-シクロデキストリンの7つの効果
先ほども紹介したように、「α-シクロデキストリン」には、
- 脂質の吸収抑制と中性脂肪のカット
- コレステロールのカットと吸収抑制
- 飽和脂肪酸の選択的な排泄と、不飽和脂肪酸の吸収率増加
- 炭水化物の分解・吸収の抑制
- 糖(スクロース)の分解・吸収の抑制
- 整腸作用
- アレルギーの改善効果
の7つの効果があると言われています。
脂質の吸収抑制と中性脂肪のカット

「α-シクロデキストリン」は最初に紹介したように食べ物の脂質を直接取り込む「包接」という作用を持っています。
スポンジを水で濡らすと、スポンジが水を大量に吸収しますが、α-シクロデキストリンも1gに対して脂質を9g取り込むことができると言われており、だからこそ食後の中性脂肪値も上がりにくくなります。
さらに、包み込んだ中性脂肪を体外に排出するため、余分な脂肪を吸収しない=太りにくくなる作用も期待できます。
1gで9gの脂肪を取り込みますから、例えば1日に3gのα-シクロデキストリンを摂取すると27gの脂肪をカットすることができます。
脂肪1gは9kcal。
α-シクロデキストリンを毎日3g摂取するだけで1日あたり243kcalをカットでき、1か月で7,290kcalのカロリー(=脂肪1kg分のカロリー)をカットすることもできます。
こうしたことから、「α-シクロデキストリン」は肥満大国の欧米で特に注目されています。
コレステロールのカットと吸収抑制

「α-シクロデキストリン」は、小腸の脂質の溶解性を低下させます。
つまり、コレステロールの分解を阻害し、コレステロールの吸収を抑制する効果があります。
無添加・難消化性デキストリン、イヌリン、α-シクロデキストリンのコレステロール吸収抑制効果を比較したのが下記のグラフです。

コレステロール溶解度は難消化性デキストリンの半分以下で、それだけコレステロールが吸収されにくくなっているのが分かります。
飽和脂肪酸の選択的な排泄と、不飽和脂肪酸の吸収率増加

油には、大きく分けて「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」の2つの種類があります。
飽和脂肪酸は、肉やバターやチーズなどに多く含まれています。
飽和脂肪酸を摂取すると、一般的には皮下脂肪や内臓脂肪、LDLコレステロールが増えることが多いです。
それに対して不飽和脂肪酸は、魚(DHAEPA)や亜麻仁油・エゴマ油(α-リノレン酸)に含まれています。
優先的に燃焼されるため、皮下脂肪や内臓脂肪になりにくく、体に良い油が多いです。
さて、「α-シクロデキストリン」には、飽和脂肪酸を体外に積極的に排出し、不飽和脂肪酸を体内に積極的に吸収するはたらきがあることが分かっています。
これは「α-シクロデキストリン」が、「飽和脂肪酸とは結合する・不飽和脂肪酸とは結合しない」という特徴を持っているためです。
「飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を摂取させたラットの糞便に含まれる油脂分析」の実験では、飽和脂肪酸の方が不飽和脂肪酸よりも約15倍多く排出されていることが分かりました。

D. D. Gallaher et al., Faseb.J, 21, A730 (2007)
炭水化物の分解・吸収の抑制

「α-シクロデキストリン」は炭水化物を分解する酵素「アミラーゼ」とも包接結合します。

炭水化物が分解されグルコース(ブドウ糖)になることを防ぐため、結果的に血糖値の上昇を抑制します。

J.D.Buckley,et al.,Annals of Nutrition & Metabolism,50,108-114(2006)
血糖値の上昇が抑制されるということは、糖の吸収がカットされているということであり、中性脂肪(TG)の材料が減るということでもあります。
ダイエットをしたい方や中性脂肪が気になる方だけでなく、炭水化物の摂りすぎが気になる方にも、「α-シクロデキストリン」はオススメしたいです。
糖(スクロース)の分解・吸収の抑制

難消化性デキストリンにはなくてα-シクロデキストリンにはある効果の1つ。
それが「糖の分解・吸収の抑制」です。
「α-シクロデキストリン」はスクロースをグルコース化する酵素「スクラーゼ」とも包接結合します。
そのため、スクロースの分解吸収を阻害し、結果的に血糖値の上昇も防ぎます。

スクロース摂取後の血糖値の推移
整腸作用

「α-シクロデキストリン」はオリゴ糖の1種です。
腸内の善玉菌のエサとなるため、腸内環境改善効果が期待できます。
α-シクロデキストリンを1日3g摂取すると、3週間で便の中のビフィズス菌が3倍以上に増え、排便回数が増えることが分かっていますから、便秘気味で体脂肪が気になる方にもα-シクロデキストリンはオススメです。

アレルギー改善効果

「α-シクロデキストリン」は1日朝晩2回・2.5gを食事と共に摂取することで、スギ花粉や気管支喘息の発作を低下させることが分かってきました。

スギ花粉の低減

気管支喘息発作低減
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この記事の監修者

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現役内科医・日本内科学会認定内科医
近畿大学医学部卒。2004年医師免許取得(医籍登録番号:第441704号)、2016年医学博士号取得