私たちの血圧は1日の中で常に変動しています。
その中でも特に「食後」は血圧の乱高下が起こりやすく、さらに食後に血圧が下がる人もいれば、上がる人もいます。
では、食後に血圧が下がるのと上がるのとではどちらが正常なのでしょうか?また、どの程度なら乱高下しても良いのでしょうか?
このページでは「食後」と「血圧」の関係性と、気を付けるべき血圧数値について紹介していきます。


こんにちは!
DHAEPAサプリのススメ編集長の稲垣です。
私は若い頃「血圧」なんてほとんど測りませんでした。でも今では血圧が気になります。
なぜなら高血圧だからで、高血圧は心筋梗塞などのリスクが上がるからです。
そこでマメに血圧を測り、リスク管理を徹底し、生活改善をしています。
おかげで血圧に改善も見られ、全体的には良い方向へ行っているとお医者さんに言われホッとしました。
しかし、食後の血圧の乱高下。これがどの程度まで許容範囲なのか、また注意すべきレベルはどこなのかが分かりませんでした。
そんな食後の血圧について気を付けるべきポイントを紹介していきますので、食後の血圧に悩みや疑問を持っている方は、参考にしてみて下さいね。
もくじ
まず知っておくべき血圧の正常値!

食後の血圧について紹介する前に、まず知っておきたいのが「血圧の正常値」です。
この正常値内にある人とそうでない人で、食後の血圧のリスク管理の重要性も異なってきます。
特に基準値外にある場合は、基準値内の人よりもしっかりリスク管理をするとともに、血圧対策をする必要があります。
それでは血圧の基準値を見ていきましょう。
血圧の正常値と分類

血圧の正常値と高血圧の判断基準は上記の表の通りです。
基本的には「最高血圧120~129、最低血圧が80~84」が正常で、血圧が130/85を超えてくると正常高値高血圧(高めの血圧)、140/90を超えると高血圧と診断されます。
もしこの正常血圧外にある場合は、食後の血圧の変化にも注目しながら、毎日のセルフケアと定期的な病院での検査・治療を行うようにしましょう。
食後の血圧の変化

それでは血圧の正常値について復習したところで、今回の記事の本題「食後」と「血圧」の関係性について知っていきましょう。
- 食後の血圧は上がる?下がる?どっちが正常?
- 気をつけたい!食後低血圧とは?
- 食後の血圧を上げる食事は高血圧症の原因に
食後の血圧は上がる?下がる?どっちが正常?
基本的に食後は血圧が下がります。
これは食べたものを消化するために胃腸に血液が集まるためです。
そのため、「食前や食中」と「食後」を比べた時には血圧が下がっているのが正常だと言えます。
しかし、血圧は「食べたもの」によっても変動するものです。ですから、食後に上がることも下がることもあり、上がっても下がってもおかしくはありません。
気をつけたい!食後低血圧とは?
基本的に食後に下がるのが血圧ですが、特に注意すべきは「食後低血圧」です。
食事で何かを食べると血圧が低下しますが、人間は下がった血圧をコントロールし、できる限り「維持」しようとします。
しかし食後低血圧の方の場合、その「維持する能力」が低下しているがために、食後に血圧が下がりすぎてしまうのです。
そのため食後低血圧になると「めまい」「ふらつき」などの症状があらわれることがあります。時には倒れることもありますので注意が必要です。
この食後低血圧は、特に高齢者に多く、高齢者の3人に1人の割合で発生する珍しくない症状です。また、高血圧の人もなりやすいことが分かっています。
食後低血圧が考えられる場合は、医師の診察を受けるとともに、食前の降圧薬の服用を避けたり、食後はゆっくり休むなどの対応が必要です。
食後の血圧を上げる食事は高血圧症の原因に
さて、こうなってくる時に気になるのが「食後に血圧を上げる食事」です。この答えの1つが「塩分」です。
塩分をとると、血液中の塩分濃度が高まり、それを薄めるために血液中に水分が取り込まれます。その結果血流が増え、血管を押す圧力=血圧が高まります。
しかし、塩分の摂りすぎは「高血圧」の原因になり、高血圧症になることもあります。食後に過度に血圧が下がるからといって、血圧を上げようとしてはダメです。
このような「無理やり」血圧をコントロールする行為は、血圧が上がっても下がっても悪いことの方が多いですので、あくまで先ほど紹介した「血圧の正常値」と「朝の時点での自分の血圧」とを照らし合わせながら改善していくことが大切です。
食後の血圧が大事な人とそうでない人がいる
最初にお伝えしたように血圧は常に変動しています。
そして、運動や時間帯、その日の食事内容やストレスなど、様々な要因によって上がったり下がったりします。
そのため、健康診断では血圧を測る際に「食事は抜いてきてください」と言われるはずです。
なぜならそれほど食事は血圧に大きな影響を与え、自分の血圧の基準値にカーテンをかける行為だからです。
ですから、医師に「食後も血圧を測ってください」と言われておらず、特に現状では必要ないと思われる場合は、食後の血圧よりも「血圧を測るのに適した時間帯」の血圧値と正常値を比べていきましょう。
血圧を測るのに適している時間帯は、
- 朝の起床後1時間以内
- 毎日決まった時間帯
- 椅子に座り、1~2分経った後
- 食前、運動前、入浴前
です。
できる限り毎日同じ条件で測れる環境下での血圧測定を行うようにし、この血圧の数値を大事にしていきましょう。
血圧高め、高血圧の人はそちらの対策を優先しよう
つまり血圧が正常値であれば、食後の血圧についてそこまで大きく気にする必要はないことが多いということです。
ですが、先ほども紹介したように、高血圧は食後低血圧の原因となることがあります。ですから血圧が高めの人、高血圧の人は、そちらの対策を優先して行うべきです。
「高血圧でも大丈夫なんじゃないの?」と思われるかもしれません。
しかし下記記事で「血圧が高いと高まるリスク」について紹介しています。そちらを読むと「このままではいけない」と思えるでしょう。
「高血圧を改善するモチベーションが続かない」という人もいるでしょう。確かに血圧を下げるには努力が必要ですが、下記記事では努力を必要としない、日常生活の中でできる改善法を紹介しています。
「血圧を効率的に下げたい」という方には、血圧を下げる働きのあるサプリメントがオススメです。普段の生活改善と併せて利用することで、より血圧を下げやすい体内環境にすることができます。
さいごに
さいごになりましたが、食後の血圧が気になる方は、ぜひ「食生活」を整えてみましょう。特に「おさかなすきやね」の食べ物は血液をサラサラにする食べ物の代表です。
- お:お茶
- さ:魚
- か:海藻類
- な:納豆
- す:酢
- き:きのこ類
- や:野菜
- ね:ネギ類
(参照:「血液をサラサラにするキーワード「おさかなすきやね」」
これらの食べ物や「まごわやさしい」を意識した食生活と共に運動を改善していくことで、より効率的に血圧対策ができるはずです。
ただし、血圧は努力で改善できない場合があります。
ですので定期的に医師に診察してもらい、アドバイスをもらうなどして、医学の力を借りながら改善させていくことも大切です。
この記事の監修者

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現役内科医・日本内科学会認定内科医
近畿大学医学部卒。2004年医師免許取得(医籍登録番号:第441704号)、2016年医学博士号取得